自分支援機構

10年後には黒歴史

『「超」整理法』(中公新書)を読んだ

 部屋の本棚にある大量の専門書とかライトノベルとかコミックその他をなるべく整理したいなあと思って、野口悠紀雄著『「超」整理法』(中公新書)という本を読んでみた。表題にあるように「書評」と呼べるほど大層なものではないが、簡単に読んだ感想を書いておきたい。

大まかな内容

 この本から得られたノウハウを大まかに、しかも勝手に二点に要約すると、

  • 分類して整理することには無理があるから、時間軸を用いて整理せよ
  • PCなどによる情報処理・整理は大いに活用せよ

の2点だと思う。著者は日々大量の書類の処理を強いられている大学の教員であり、しかも今ほど電子機器や情報の電子化がポピュラーではない時代に書かれた本のせいか、一般人(?)である私が2017年に活用するには厳しい内容も多かったが、考え方や「やってはいけないこと」の把握の面では得るものが多かった。

私の生活へ適応できる点・できない点

 書類を時間軸順に整理して、言うなれば「スタック」式に処理するというのは便利かつ簡単で、実際私にもできそうである。私はただの学生にすぎないので大学の教員ほどの大量の書類はないが、それでも書類に困っていないわけではない。ただし、私の場合そもそも家に収納する場所そのものが足りないわけだし、分類に困っているのは主に書籍なのでその面では適用しにくい。
 PCなどによる電子文書の検索性に関しては、当時としては画期的だったのだろうが、今となってはあまりにも当たり前過ぎて何とも言えない。下手に何かのソフトを用いて情報を保存しておくくらいなら単純なテキストファイルの方が取り回しがよいという知見が得られて、ともあれば内容ごとに何らかのソフトを用意してそれぞれ個別に処理しがちな私にとっては、それくらいプリミティブなやり方の方が帰って便利かもしれないということの気付きになった。余談ではあるが、パソコンが苦手な人に対するアドバイスのようなものが書いてあって、その内容が「タッチタイピング(ブラインドタッチ)を身に付けろ」というものだったので途方もなく時代を感じた。

最後に

 現在からするとさすがに古さを感じる面もある本ではあったが、情報を整理するということについての根本的な考え方を教えてくれる面白い本だった。私のように、「もう部屋に本の置き場所がない」みたいな場合にはあまり適用しにくいが、仕事やら何やらで書類が山のようにあってどう整理したらよいものか困るという方にはオススメできる本である。私も、就職したらもっと内容を役に立てられるかもしれない。