自分支援機構

10年後には黒歴史

『銀河英雄伝説』(アニメ、石黒監督版)を見ている

 こんにちは。支援機構です。
 今回はアニメの感想記事です。本作品は田中芳樹先生が書かれた小説『銀河英雄伝説』を原作にしたアニメで、Wikipediaの記事によると1988年*1から2000年にかけて制作されて今でも人気を保っています。2chとかだと結構ネタを見かけた印象がありますね(ラングとか)。そんなこんなで私もかなり前から関心はあったのですが、初めて見たのはニコニコ動画dアニメストアの会員になってからなので2017年くらいになるのでしょうか。その後作業用BGM代わりにけっこう何週か見ています。繰り返し見ているとさすがに各話の見どころポイントもある程度自分の中で固まってくるのでこうして記事を書こうとしている次第であります。
 最初に言っておきますが、もうずいぶん前のアニメですので特にネタバレに配慮などはしません。すでに見た人と感想を共有したいという意図が強い記事になっています。また、この記事はとりあえず公開しておいて、新しい話を見るたびにどんどん更新していくというスタイルを取ることにします。なので今はまだ記事のタイトルが「見ている」なのですが、全話見終わった段階で「見た」に変更するつもりです。
 そういえばアニメの感想記事を書くのはおよそ一年ぶりですね。前回、カードキャプターさくら クリアカード編の感想記事(↓)
ngskshsh.hatenablog.com
のときに毎話長文の感想を書いていたら息切れして途中でやめてしまったので、今回は体裁を制限してさっぱり行きたいと思います。感想は必ず各話2段落構成で、第一段落にシナリオの私的な要約を書いて第二段落に自分が気になった面白ポイントを紹介するという形にします。また、今回もリアルタイム更新の形で更新していこうと思います。たぶんこの記事が公開される時点で2話くらいまでは感想を書いていると思いますが、その後も何話か見るごとに記事を更新しつつ完成させていければよいと思います。ちなみに各話のタイトルはニコニコのdアニメストアへのリンクにしてあるので便利だぞ(特に私が自分で見返すときに)。

第1期

 一言でストーリーを要約すると、帝国と自由惑星同盟が戦争をします。

第1話 永遠の夜の中で(6/23)

 帝国と自由惑星同盟が戦争をしているのですが、第1話はアスターテ会戦と呼ばれる戦いのプレリュードのような部分です。有能っぽい人と無能っぽい人の対比がかなり強烈に付けられていて、タイトル通り英雄の伝説なのだということを深く感じさせる始まりです。
 ストーリーで印象的なのはパエッタ含め同盟側の偉い人たちが「自分たちが駆け付けたときには友軍はすでに滅ぼされてしまっているだろうからそちらに援軍しても意味がない」ということを頑なに受け入れないということです。味方の壊滅を信じられないのか、あるいは友軍を見捨てたということを非難されるのが耐えられないのかはわかりませんが、いくらなんでもそれがわからない人が中将とかそういう位までは行けないのではと思わなくもなかったです。

第2話 アスターテ会戦(6/23)

 アスターテ会戦で同盟がボロクソに負けるものの、ヤンの尽力により致命的な解滅は防がれた感じです。とはいえ2話にして旧友のラップが亡くなってしまい、わりと同盟側はお葬式ムードです。
 負けた後、同盟側の報道機関が「大勝利」と報じているのをヤンが皮肉っているのが印象的ですね。「自由」を標榜する民主国家における報道機関ですら軍隊側の圧力により報道規制を余儀なくされているというのがかなり現実味のある戦争の風景という感じです。

第3話 第十三艦隊誕生(6/26)

 アスターテ会戦の戦没者の慰霊祭という名目でトリューニヒトがアジテーションをぶちかましている最中にジェシカ・エドワーズが参戦し、最終的にヤンの家が暴徒に襲われます。その後なんとか事態を収拾したのち、ヤンが第十三艦隊の司令官に任命されます。
 トリューニヒトの演説スキルが非常に高いのが印象的です。戦死者のことを自由を守ることに尽力した戦士であると賛美することで、今回の戦没者の遺族たちの心証を良くするのと同時に、今生きている軍人たちにも命を捨てて戦うことが美徳であると感じるような雰囲気を創り上げています。ただ、その少し後に「真の自由とは、共通の目的に向かって前進すること。真の自由とは国家と共にあることだ。」などと無茶苦茶な発言もしており、こっちはさすがに反発も生まれるのではないかと思うのですがどうなんですかね。

第4話 帝国の残照(6/28)

 ラインハルトが昇進して姉に会い過去を回想します。ラインハルトの姉はめちゃシコだったので銀河帝国皇帝の嫁として召し抱えられ、その後皇帝をぶっ倒すためにラインハルトは軍事的な権力を手に入れるために尽力しているという過去が明らかにされます。
ラインハルトは幼いころから行動力と決断力に満ちていたということがはっきりと描写されているのが印象的です。子供の喧嘩で普通に石を使って殴るなど、最短で最も効果的な手段を選ぶことに躊躇がないこともすでに示されています。そんなラインハルトに影響される形でキルヒアイスも自分の人生を決断してしまいます。

第5話 カストロプ動乱(6/28)

 キルヒアイスが地方反乱を鎮圧し、ラインハルトの単なる付属品ではない能力を持つことを示します。その人間性の良さと優秀さから部下からの信頼も厚くなっていきます。
 帝国側における2人目の主人公とすらいえるキルヒアイスの導入話みたいな感じです。ベルゲングリューンとビューローの忠誠心の強さが表現されているのも何気に伏線ですね。

第6話 薔薇の騎士(6/29)

 イゼルローン攻略を命じられたヤンが薔薇の騎士連隊長のシェーンコップが給仕の店員を助けている所を目撃し、彼の人間性を信頼できるものと思い作戦を立案します。
 これは誰もが思うことでしょうが、シェーンコップになぜ自分たちを信用するのかと聞かれたあとのやり取りが最高に思想が詰まっていて銀英伝という感じです。人物本位で軍事行動を実行するのってたぶんリアル軍隊だと無理でしょうね。

第7話 イゼルローン攻略!(6/30)

 薔薇の騎士連隊がいろいろと頑張ってイゼルローン要塞に侵入し、多少の抵抗を受けるも乗っ取りに成功します。同盟軍がようやく多少の勝利を得てよかったなという回です。
 要塞乗っ取り後、明らかに勝ち目がないにもかかわらず突撃してくる帝国軍が「武人の誇り」などという言葉を出したのにヤンがぶちギレているのが今回の思想ポイントです。ヤンは自分が部下の命を預かっている身であるということに常に意識的なのが素晴らしいですね。

第8話 冷徹なる義眼(6/30)

 7話でイゼルローンが堕ちたときにちゃっかり脱走していたオーベルシュタインが責任を取らされそうになりますが、ラインハルトの下に付くことで助かります。今後、オーベルシュタインがローエングラム体制における謀略や政略の部分を担うことになります。
 結果としてオーベルシュタインは命を拾うことになりますが、実際ラインハルトが助命を拒否していたらどうなったのでしょうね。ラインハルトとキルヒアイスの二人(特に後者)はやり方が清廉潔白すぎるため、仮にゴールデンバウム体制の打倒に成功したとしても実際の銀英伝ほどスムーズに権力の移行ができなかったのではないでしょうか。オーベルシュタインがいたからこそ、綱紀を正すべき部分は正しながらある程度黒い部分も容認しながら国家としての体裁を即座に立て直すことができたのかと考えます。それはそれとして、この決断から徐々にラインハルトとキルヒアイスの考え方に食い違いが出てくるようになります。

第9話 クロプシュトック事件(7/1)

 ブラウンシュヴァイク公が開いた皇帝参加のパーティで爆破テロが起き、犯人のクロプシュトック侯爵が自害します。
 政略政戦も銀英伝の華という感じですね。元皇帝暗殺を企てるものでさえ帝政に反対しているわけではないという部分が人間の単純さを感じます。生まれ持った価値観を変えることができないのですよね(私だってそう)。

第10話 ジェシカの戦い(7/10)

 士官学校の何らかの記念式典に招かれたヤンがついでにマスコミに利用されて嫌な気分になります。そして反戦主義者のアジトが爆破されます。
 本編中で反戦主義者の拠点が爆破されて政治的リーダーが死亡していますが、正直こんなことが起こっている時点で同盟はとっくに末期だなという感じです。主戦派の上位層の意思決定陣が決めたことではなくて末端の暴走であろうというのは確かにそうなのでしょうが、そうした暴動がどのように評価されるかがわかっていないのが大変よろしくない。ヤンとジェシカのすれ違いについては非常に悲しい感じではありますが、政治的なことからは一歩引いた立場のヤンと政治に積極的に関わって変えようとしているジェシカが本当に交際することができたかどうかは議論の余地がある部分だと思います。

第11話 女優退場(8/25)

 皇帝の寵愛がアンネローゼにすっかり移ってしまい、自分への関心が薄れてしまったことを嘆くベーネミュンデ侯爵夫人が逆恨みによってアンネローゼをぶっ殺そうとして失敗します。ベーネミュンデ夫人は(最低限の名誉が保たれる形ではあるものの)死を賜ることになってします。
 作中でアンネローゼが述べていることでもありますが、一度得た名声あるいは寵愛を手放さなければならないというのは非常に苦しいことなのでしょう。その席に別の人間が座ることになるのであればなおさらです。このあたり皇帝の考えていることが非常に読み取りにくいのですが、決してベーネミュンデ夫人への愛(あるいは感情が)存在していないわけではないようにも見えます。にもかかわらず関係が途絶えてしまうということはやはりアンネローゼがめちゃシコだったのでしょうね。

第12話 帝国領進攻(8/26)

 イゼルローン要塞の奪取に成功してしまったことにより同盟側の市民及び政治家の雰囲気が好戦的になってしまい、議会の決定により帝国への侵攻が決定してしまいます。それを受けて軍の方で侵攻作戦の具体的な内容を決めようとしますが、そもそも方針もなしに実行することだけ決まっている状況でまともな作戦が立てられるわけもなく、フォークの中身のない演説だけが垂れ流されるのでした。
 かの有名な「高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に対処することになろうかと思います」の回です。なぜフォークがあの立場まで昇進できたのかはよくわからないですが、能力そのものはきっと優秀な人間なのでしょうね。

第13話 愁雨来たりなば…(9/23)

 同盟の帝国領侵攻に対する方策としてラインハルトおよびオーベルシュタインが焦土作戦を決定します。その実行に当たったケスラーがクラインゲルト子爵の領地において幼馴染の女性(既婚)と絶妙なヒューマンドラマを繰り広げます。
 このあたりからラインハルトとキルヒアイスのすれ違いがかなりよく見えるものになってきます。同盟軍の侵略政策の性格からして餓死者多数などということにはならないにせよ、少なからず民衆に負担をかける行動であることには違いありません。

第14話 辺境の解放(9/23)

 同盟軍はなんとか頑張って旧帝国領の臣民に食料その他物資を提供しますが、想像以上に出費がかさんだので補給をすることになります。もちろんそれが帝国軍の狙いだったわけで、普通に補給部隊は襲われてしまいます。最高評議会は作戦続行を決定しますが、前線の指揮官たちはもはや撤退を始めます。
 同盟軍の行動の錯綜っぷりが目立つ回です。いくらなんでももう少し統一した行動がとれただろという感じです。

第15話 アムリッツァ星域会戦(9/30)

 補給が届かないまま飢え始めてしまった同盟軍に帝国軍が侵攻をかけてきます。撤退の準備をしていた艦隊ですら苦戦を強いられる状況にあり撤退やむなしという状況ですが、司令部のロボスに要望をリジェクトされてしまいアムリッツァ星域に全軍を集めることになりボコボコにされます。
 艦隊戦の描写がかっこいい回ですね。司令部の方はなんでこんなに意味の分からない方向の決断力だけあるのかよくわからないのですが、まあ人間誰しも思考が錯綜して意味の分からない決断をしてしまうことはありますよね(それで死んでいく兵士たちはたまったものではないが)。ここで名将の多くを失ってしまうことから同盟側の「英雄」であるところのヤンのさらなる台頭が始まると思うと、ある意味『銀河英雄伝説』の同盟側における始まりと言えなくもないなあと思いました。

第16話 新たなる潮流(9/30)

 同盟軍はアムリッツァ星域会戦でボコボコにされてしまいましたが、ヤンが殿を務めてかろうじて全滅を逃れます。完勝できずに悔しがるラインハルトらの下に皇帝崩御の連絡が届き、新皇帝が擁立されます。あとこの話でフェザーンと地球教の関係性がある程度示唆されます。
 今後の展開につながりうる伏線や舞台設定がかなり詰め込まれた話ですね。フリードリヒ4世がわりとサクッと死ぬのでちょっと拍子抜けしますが、謀略によって殺されるより前に死ぬことが出来る程度には愚かな人間ではないということを示唆しているのでしょうか(自分で書いていて意味不明だ)。

第17話 嵐の前(2021 2/7)

 かなり久しぶりの更新となります。更新をサボっている間に銀英伝DNTが始まったり私が大学を卒業して就職したり色々なことがありました。
 ラインハルト陣営が、前話でわりと急に亡くなった皇帝の後継者争いの間同盟に邪魔されないために同盟側に内乱の種を撒く回です。ヤンはそれを完全に察知しているわけですが、どうにも対応するだけの権限がありません。
 内乱の種が紛れ込んだ捕虜帰還パーティーでのトリューニヒトの演説がいくらアジるにしても下手すぎるという気がするのですが、実際原作だとどうなんですかね。あと、主人公格が実は相手の策を読んでいるということが最初から明らかにされる展開になっているわけですが、ここまで先が読めているのにちゃんと面白くなるのがすごいですよね。

第2期

第3期

第4期

*1:俺が生まれる前じゃん……