自分支援機構

10年後には黒歴史

第一級アマチュア無線技師 受験体験記

 支援機構にゃんです。たぶん誰も読んでないというのに記事を書き続けるということについて自分でも違和感を持ちつつありますが、まあ備忘録みたいなもんだと思ってこれからも頑張っていきます。最近は時間的に書く余裕はあるのに書くべきネタが見つからん。

 

(1)受験した理由など

 さて今回の記事は12月の第一級アマチュア無線技士(以後「一アマ」)を受けてきた体験記です。Twitterでも言いましたが、無事に合格していたので安心して記事を書くことができます。最初に言っておきますが、この記事は「工学」の範囲を理解するのにほとんど苦労しない程度の理系の立場で書かれています。

 受けた理由ですが、実はそういう趣味があるわけではなく、難易度が手頃な電気系の資格で日程の都合がよかったので受験することにしました。昔は英文・和文モールスの送受信などの実技試験もあったようですが、今では学科の勉強ができれば受かるのでなんとかなるのではないかと思ったわけです。勉強を始める段階では電気回路と電子回路のおおまかな知識しかなかったのですが、資格の勉強を通じて各種応用回路とアンテナ関連の知識が得られてだいぶ満足です。勉強するにつれ「あれ?無線技術ってめっちゃ奥深くて面白いのでは?」って気分になってきたので実際に無線局を開局して遊ぼうかと思ったんですが、ふらっと秋葉原の無線機屋さんに入って各種グッズの値段を見て「ファッ!」ってなったので無理そうです(いつか就職して金に余裕ができれば……)。

 

 

(2)一アマ試験の概要

 アマチュア無線技士の試験はどれも「工学」と「法規」の2科目で、両方に合格すると資格を得ることができます。一級だと試験は午前の法規と午後の工学に別れていて、しかもそれぞれ2時間半もあるのですが、両方とも30分もかからないので「時間が足りない!」みたいなことにはならないでしょう。(私が受けたときは)1時間経った時点で途中退出ができたので、1時間を目安に解いてとっとと退出して昼飯を食うなり帰宅するなりすればいいでしょう。

 試験は全て解答を選ぶマーク式で、7割以上得点できると合格です。私の印象ですが、過去問と全く同じ問題(※)ばかり出るので、普通に対策をして挑めば落ちる試験ではありません。

※言うまでもないですが、数値や回路の配置を変えただけの問題を「違う問題」とはみなさない。

 

(3)どのように勉強したか

 はーいここからちょっとだけ宣伝のお時間でございます。自分で全部読んだ本を詳しく紹介するので許してください。

 勉強を始めるにあたって最初に読んだのはこの

丹羽一夫著『新 上級ハムになる本』(CQ出版社

です。一アマ用の参考書で、ある程度以上分厚くてしっかりした参考書を選ぼうということでこの本を選んだのですが、なかなか良い本でした。物理や回路についてはある程度知識があるので読み飛ばしましたが、主に4章以後の各種回路や受信機・送信機の内容などは非常に参考になりました。最後に少し載っている法規に関してはやや記述が簡潔すぎる気もしますが、その分検索もしやすいです。元々十分な知識がある人以外はこの本から勉強するとよいのではないでしょうか。

 とはいえこの本にもいくつか欠点はあって、まず第一に練習問題が付いていないこと。これ以上本が分厚くなると値段の面でも取り回しの面でも不便になるというのはわかりますが、さすがに全く問題を付けないのでは理解を試すことがしにくいのではないでしょうか。二つめは最近の一アマの試験の内容を必ずしも全てカバーはしていないこと。回路や無線機に関する基本的なことを身に着けるには非常に素晴らしい本だと思うのですが、知識的な面では不足を感じます。過去問をやることでカバーできますが。三つ目は、導出がやや困難な公式(特に電波の伝搬の章にあるもの)の導出が投げっぱなしなこと。単に資格を取るだけが目的なのであれば公式を全て導く必要はないのでしょうが、それならそれで参考書を示すなどして後の学習につながるような配慮をしてほしいと思います。まあこんなことに文句を付け始めたらたいていの資格の参考書は読めないですよね、ええ。

 上級ハムになる本を半分くらい読みはじめた時点で市販の問題集に手を出し始めました。それがこの

『ズバリ合格 第1級アマチュア無線技士問題集』(情報通信振興会)

です。(私が買ったのはAmazonリンクのやつの一つ前の版)各章ごとに簡単な内容のまとめがあったのちに過去問頻出の問題が並べられています。アマチュア無線というのはとにかく過去問ゲーなので、このように過去問を分析して作られた問題集を一通りこなして覚えておくことは非常に有効です。特に法規に関してはこの本についているまとめと問題だけで十分だと思います。ただし、この本は解説がかなりあっさりしているので、物理や回路の問題などに詳しい解説がないと不安という方はより解説の詳しい

第一級アマチュア無線技士試験問題集 (合格精選400題)

などが良いかもしれません(こっちは受かったあとに本屋でふらっと立ち読みしたのですが、各章の要約はなくて問題の解説はかなり詳しい感じでした。)。どちらの本を選ぶにせよ、計算問題以外は知っているか知っていないかの知識問題ばかりなので、解答を見てわからなければとっとと答えを見てしまうのがよいと思います。

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 『ズバリ合格』を一周読み終わったあたりで実際の過去問を2~3回分解いてみました。インターネット上に実際の過去問をたくさん載せているサイトがあるので気になる方はググってください(リンクをしていいかわからないしググればすぐ見つかるのでここでは紹介しません)。この段階で既にたいていの問題は本で見覚えあるものばかりだったので、「なるほど、この本は本当に過去問を分析してまとめてるんだなあ」と思って本の方を完璧にする作業に戻りました。結局、2日前くらいまでは『ズバリ合格』ばかり読んでいました(この戦法は今後問題傾向がいきなり急変しない限りずっと有効だと思います)。前日に5年分(15回分)くらい過去問を解いてみて、合格をほぼ確信して、当日の朝を迎えました。

 

(4)当日のおはなし

 試験は2016年12月3日(土)で、受験会場は晴海の日本無線協会試験センターでした。きっとおじさんだらけなんだろうなーとは思っていたのですが、実際教室に入ってみるとおじいさんだらけで驚きました。いくら趣味の資格とはいえ、私があれくらいの年齢になった頃に何かを勉強するということができるでしょうか。私にはその自信がありません。

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 試験そのものはまあ過去問どおりで、つつがなく終わりました。午前の試験が終わって午後の試験までの暇つぶしに困ったくらいです。Q値の定義や「コリニアアレーアンテナ」なる聞き覚えないアンテナに関する問題など見覚えのない問題も少しはありましたが、なんとかしました。どちらも全然違う分野から知識を輸入してくる感じではありますが、Q値に関しては機械振動なんかの本を読んでると1/√2ばかり見ますし、コリニアアレーアンテナに関しては"Co-linear"なarrayだとわかったので回答できました。まあ仮にこれらの問題を捨てたとしても何とでもなるでしょう。

 

(5)結果発表

 さて、そんなわけで12月の様々なイベントごとに追われているうちに合格発表があったわけですが、無事合格していました。

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これでようやく第一級アマチュア無線技士の「免許の申請」ができるわけです。とはいえ、冬コミや年末年始のアレコレもあって手数料すら惜しいので、申請は年が明けてからにします。

 

 

 さて、長い記事になりましたが何か参考になる部分はあったでしょうか。こんな記事をわざわざ読みにくる人はたぶん一アマの試験を受けようとしている人だと思うので勉強法に関してはやや少し詳しく書きましたが、そもそも最初から回路の計算に全然困ってない私による記事なのであまり参考にならないかもしれません。いずれにせよ、難しかったと聞く昔とは違って過去問(あるいは過去問を研究して作られている問題集)をしっかりやり込めば合格できる試験だと思うので、これから受験する人はがんばってください。それじゃあこんな長くて中身の無い記事を読んでいただいてありがとうございました。支援機構でした。