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10年後には黒歴史

感想:はぴねす!&はぴねす!りらっくす(ういんどみる)

 去年の暮れから2月上旬くらいにかけてういんどみるの「はぴねす!」、及びファンディスクの「はぴねす!りらっくす」をプレイしたので簡単な感想を書いておきたい。あまりストーリーに踏み込んだことは書かなかったが、内容には触れていくのでネタバレには注意だ。

 

 

 このゲームをプレイするに至った理由は簡単で、準にゃんが見たかったからである。さすがに近年では多くは見なくなったが、男の娘と言えば渡良瀬準が挙げられることが多かったように思うし、その人気からインターネット上の様々なコンテンツで準にゃんを見る機会は多かった。(プレイしはじめた)2016年ともなるとさすがに今更感は強かったが、まあとりあえずプレイしてみようということでついソフトを買ってしまったわけである。ちなみに買ったバージョンは「はぴねす!×はぴねす!りらっくす SPECIAL BOX」という、FDが出て少し後に発売された本編&FDの同梱版であり、最近発売されたE-mote搭載のリニューアルVer.ではない(そっちもいつか買う)。

 

 全体を通しての雑な感想は、これは優しくていい人しかいない綺麗な世界なんだな、ということである。ういんどみるの作品だと他に「祝福のカンパネラ」(とそのFD)、「ウィッチズガーデン」などとプレイしたことがあるが、いずれも真に悪人めいた人がいない優しい人達による優しい箱庭の中での物語だった。ものすごく勝手な解釈だがはぴねす!はそれらの先駆者としての雰囲気が含まれていて、要するにみんないい人で理想郷めいているのだ。ただし、この「理想郷」感には短所が少しあって、ふと落ち着いて作品の中のことを考えるとつい「現実味がないなー」と思ってしまうことである。祝福のカンパネラウィッチズガーデンでは、そもそも作品内で明示的にその環境が「箱庭」的であることが示されていたのでそれをうまく受け入れやすかったが、はぴねす!は生身の理想郷を直接ぶつけてくる感覚があってその点では違和感を感じることはあった。まあこれはあくまで現実社会の人間関係に疲れたおっさんのぼやきなわけですが……

 

 あんまり個別に述べることも思いつかないし、文章を書く体力もないのでヒロインについては3人だけ取り上げたい。渡良瀬準柊杏璃式守伊吹だ。

 

 準にゃんについては、作中での扱いと昨今のオタク界隈(?)での「男の娘」の受け入れられ方とのギャップに少しびっくりした。今でこそ市民権を得てゲームなどにも当たり前のように登場している「男の娘」ではあるが、おそらく当時はそういう言葉すらなかったのだろう、準にゃんは作中で一貫して「女装をしている男」として扱われている。そのような時代に準にゃんを生み出し、あまつさえFDでルートまで作ってしまったのだからういんどみるには先見の明があったと言わざるをえない。選択肢によっては女の子の体になれるようにしておくあたり、実験的だったのだなあと感じる。

 

 柊杏璃ちゃんは素直に可愛い。明るく元気で、主人公に対して親しく距離が近いというタイプのキャラはもはや鉄板中の鉄板だが、それにしても杏璃ちゃんはかわいい。この作品で一番気に入ったキャラだ。良くも悪くも純粋にセオリー通りのキャラすぎて何も込み入った感想が言えない。ごめん。

 

 式守伊吹ちゃんは、正直本編ではあまり好きになれなかった。「いや、そんだけ各位に迷惑かけといてなんでヒロイン面してるん?」とさえ思っていた。だが、FDで「世間知らずのお嬢様が自分の好きな相手にどうアプローチするか試行錯誤している」というオタクの脳天を直撃するシチュエーションを見せられて一気に好きになってしまった。私みたいなオタクは脳が単純なので、好きになった途端に本編での行為も「そうだよな、伊吹ちゃんは意地になっちゃっただけだもんな」と全然気にならなくなってしまった。

 

 最後に一つ。音羽さんはともかく、さすがに実母は無理があったのでは……