どうも、支援機構です。書籍の電子化をやりはじめて3ヶ月くらい経った(→始めたときの記事)ので、その後のレポートというか、使い心地というか、まあ気づいたことをつらつら書き連ねていこうと思います。
ちなみに購入したドキュメントスキャナはこちら
『線型代数入門』(東京大学出版会)を読んだ。
はじめに
線形代数*1に関しては、2年くらい(?)前に本を読んでから特に知識のブラッシュアップをセずに放置していて、最近ちょっと細かい内容で不安を感じることがあったので一冊本を読むことにした。今回は
齋藤正彦著『線型代数入門』(東京大学出版会)
- 作者:齋藤 正彦
- 発売日: 1966/03/31
- メディア: 単行本
ちなみにこの本を選んだ理由は次の3つ
- 昔読みかけたがギブアップしたのでリベンジしたい
- Jordan標準形の構成が代数学チックで最近の本ではあまり見ないやりかただと聞いたから
- そもそも有名な本だから
パッと2,3日で読んでおしまいにしようとしたのだが、意外と手こずってしまった。
おおまかな内容
第1章 平面および空間のベクトル
高校数学でやりそうな、ベクトルの幾何学的な意味や取り扱いを説明している。ぶっちゃけつまらない章だとは思うけれど、線形空間や線形写像の概念を2,3次元で具体的に述べている"伏線"だと捉えることもできる。
第2章 行列
題名通り、行列を導入する。演算と各種行列(正則とか直交とか)を導入して、1次方程式との関わりと階数(rank)も説明する。基本変形や階数の説明に古さを感じなくもない。
第4章 線型空間
集合・写像の概念を簡単に説明してから、線形写像・線形空間を導入する。説明自体はわかりやすいと思ったがそもそも抽象的な概念なので、さすがに入門書として通用するにはもうちょっと練習問題を増やしてゆっくり説明したほうが良かったんじゃと思わなくもない。
まとめ
最近の本と比べると正直読みにくいと思ったし、記法や記号の古さも目立った。良かった点は
- (最近の本と比べると)例や練習問題の量が最小限だけど、扱っている内容はかなり豊富
- 抽象的な線形写像の議論が多く取り入れられている
- 行列の解析的な取り扱いや、代数学の内容など、やや高度な内容にも触れられている
- そこそこ安い(1900円)し、安価な古本を探すのもきっと容易
悪かった点は、
- 用語や記法が少し古い
- 具体的な行列の議論より線型写像の議論が中心だが、そのせいかごちゃごちゃになっている部分もある
- 定理や系などがどういうモチベーションで示されているかの説明が必ずしも多くないので、なぜそのようなことを示しているかが(初学者にはたぶん)わかりにくい
- 入門書としては例や練習問題が少なすぎる
最終的な結論:用語の古さや記述の不親切さから線型代数初学者には勧められないが、(私のように)復習や2冊目の勉強としては悪くないのかもしれない。一見薄めの入門書なのに、内容が豊富かつ高度なので初学者殺しの一冊といえる。大学に入ってすぐの右も左もわからない人間にこの本を入門書として勧めるのはただの嫌がらせである。
*1:最近の風潮を尊重して、線「型」ではなく線「形」表記でいきます
今後しばらくについて……
こんにちは。支援機構です。サクラノ詩のヴィジュアルガイドが出るようで非常に楽しみですね。今後のブログの予定をちょっとだけメモしておきます。
エロゲ・ラノベ・その他
4,5月はちょっとだけ時間に余裕ができる予定のはず(たぶん)なので、積みエロゲ&積読をどんどん解消する作業を続るつもり。3月はけっこう積読を崩したんだけど、感想を記事にまとめたりする精神的な余裕がなぜか失われれました(応用情報のせい)。とにかく自分用のメモとして今後プレイしたい/読みたいものを列挙しておきます
- エロゲ
- ライトノベル
- コミック
- ネギま!(新装版を読むと同時に旧版にあった呪文の解説を詳しく読んでみたい)
- ToLOVEるダークネス(完結したし)
- カードキャプターさくら(クロウ/さくらカード編の原作を読みたい)
おべんきょう
今年は院試やら卒論やらもあるし色々と勉強をすることになるだろうし、そうでなくても色々読みますから、読んだ学術書のうち感想を書いても大丈夫そうな本に関しては感想記事を書く予定。というか既にある本について半分くらい書いてるところです。主に数学・情報・物理・化学なんぞの本を読む予定。
そういう事情で申込みの段階では数ヶ月後の試験直前にどれくらい忙しくなるか読めないことが多いでしょうから、今年度は受ける資格を少なくするつもりです。まあ仮に申し込んで落ちたり受けられなかったりしても受験料を失うだけですから気軽なんですけど。具体的にどれかを受けるわけではないけれど、高圧ガス系(ボイラー技師とか冷凍機械)やらエネルギー管理士(熱)やらをいつか受けるときの基礎として熱力学とか伝熱工学はしっかりやろうかなと思ってます。
おしまい
応用情報の結果が気になって夜しか眠れない。つらい。
「カードキャプターさくら」にドハマリした話
おはようございます。最近は花粉症も落ち着いてきて気軽に外出できるようになってきた支援機構です。私のTwitterを見てくださってる方には周知の事実だと思いますが、ここ数週間で「カードキャプターさくら」にドハマリしてアニメ70話を流れるように全部見てしまったのでその話を少しだけ。
本当は内容にも触れて紹介しながら読者に大プッシュしたいのですが、画面のスクショを取ったりあらすじをメモしたりしなかったので、そういうのはまた今度にします。
最近買った本・読んだ本(17年3月中旬、だいたい新書)
こんばんは、支援機構です。単独の記事にするほどでもないけれど、読んだというメモはちゃんと残しておこうと思った本の感想をいくつかまとめて一つの記事にしたものです。今回は新書を4冊ほど紹介しようと思います。いたずらに記事数を増やしても読みにくいだろうし、個々の感想文は簡潔にするつもりだから書く上でのハードルも下がるし、一石二鳥というわけですね(両方とも私の都合だけど)。
- 『線路を楽しむ鉄道学』
- 『砂糖の世界史』
- 『批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義』
- 『はじめてのラテン語』