自分支援機構

10年後には黒歴史

最近買った本・読んだ本(17年3月中旬、だいたい新書)

 こんばんは、支援機構です。単独の記事にするほどでもないけれど、読んだというメモはちゃんと残しておこうと思った本の感想をいくつかまとめて一つの記事にしたものです。今回は新書を4冊ほど紹介しようと思います。いたずらに記事数を増やしても読みにくいだろうし、個々の感想文は簡潔にするつもりだから書く上でのハードルも下がるし、一石二鳥というわけですね(両方とも私の都合だけど)。

今尾恵介『線路を楽しむ鉄道学』(講談社現代新書

 私、支援機構は自他ともに認めるオタクではあるのですが、興味の対象は主にアニメやゲームやコミックなどに向けられているのであって、鉄道や電車というものには正直全く興味がありませんでした。わりと興味を持てる分野が広いことには自覚がある人間なので、もしかしたら鉄道関係も少し知ってみたらハマるかもしれないなあと思って、ふと本屋で目についた本書を手にとってみたわけです。
 前置きが長くなりました。この本は「線路」というものに焦点を合わせて、様々な知識や雑学を読者に紹介することで鉄道というものの面白さ・奥の深さを教えてくれる非常に面白い本です。私にとっては特に2章が興味深くて、重量のある列車が地形的な条件から必要になってくる坂やカーブをどのように通過しているのかを様々な事例をもとに紹介してくれます。
 雑多な知識をこれでもかというくらい詰め込んだ本なので正直情報量に溺れそうになりましたが、別に格式張った真面目な教科書というわけでもないし、各章もある程度独立していて好きに読むこともできます。鉄道に興味のある人は読んでみてはどうでしょうか。私個人としては、次は列車・電車の車体そのものに使われている技術についての概説書なんかを読みたいなあと思いました。

川北稔『砂糖の世界史』(岩波ジュニア新書)

砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)

砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)

  • 作者:川北 稔
  • 発売日: 1996/07/22
  • メディア: 新書
 知り合いの世界史マニアが絶賛していたのでつい購入。岩波"ジュニア"新書ということで、読むまでは正直ちょっと見くびってました。本当にごめんなさい。本書はいわゆる「世界システム論」の視点から、砂糖がどのようにヨーロッパに普及し、特にイギリスでよく消費されるようになったかを説明することで、三角貿易奴隷貿易プランテーションなどの世界史上の重要事項を生き生きと教えてくれる本です。私には世界史の教養があまりないので詳しいことは言えませんが、(おそらく子供でも)非常にわかりやすい文章で書いてある素晴らしい入門書・啓蒙書だと思いました。

廣野由美子著『批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義』(中公新書

 実はこの本に関しては読んだのは少し前になります。(主にエロゲの)レビューをするのに参考になるかなと思って読みました。前半には小説の表現技巧を中心にした解析方法、後半には社会的な問題や思想的な観点から解析する方法が説明されています。後半で述べられる方法論は人文社会関係の教養があまり足りない私にはやや難しくて、本書で『フランケンシュタイン』に対して筆者が行っている批評を読んで理解することはできても、他の未知の本に対して私が自力で批評を行うにはまだまだ能力が足りないなと感じました。一方で、前半で述べられている小説を書く上での表現技巧を読み取る手法は非常に参考になったし、エロゲやラノベやその他物語の要素を含む内容に対して私が自力で適用できそうだと感じました。表現技巧を学ぶことで小説というものに対する読解力がかなり向上した自覚があるので、この本は大学受験より前に読んでおけばセンター国語の小説で大失敗することはなかったのかもしれない。

大西英文『はじめてのラテン語』(講談社現代新書

はじめてのラテン語 (講談社現代新書)

はじめてのラテン語 (講談社現代新書)

 ラテン語の勉強の参考になるか思って購入。全部は読んでいないですが、手頃な大きさ・手頃な価格で簡単なラテン語の文法が一通り書いてあるのでとても便利。文法事項の説明は非常に詳しくてわかりやすいし例文も少しあるのでもしかするとコレ一冊で「初等文法」の範囲なら全部学べるかもしれない。でも練習問題は無いし例文も豊富というわけではないので、教科書とかテキストを読んで勉強するうえでの副読本として使うとベストだと思う。『はじめての◯◯語』シリーズは他にもあるので気が向いたら読みたい。